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岡山地方裁判所 昭和43年(わ)797号 判決 1969年7月15日

一、被告人

本店所在地

岡山市桑田町一丁目二〇番地

岡山観光企業株式会社

代表者代表取締役

藤野正已

本籍

大阪市東区淡路町五丁目三八番地

住居

岡山市藤原二九六番地の二一

右会社代表取締役社長

藤野正已

大正五年三月二一日生

一、被告事件

法人税法違反(昭和四三年(わ)第七九七号)

主文

被告人岡山観光企業株式会社を罰金一五〇万円に、被告人藤野正已を懲役六月に処する。

但し被告人藤野正已に対し二年間右刑の執行を猶予する。

一、 理由

(罪となるべき事実)

被告人岡山観光企業株式会社(資本金三、〇〇〇万円)は、岡山市桑田町一丁目二〇番地に本店を置き、キヤバレーを営むもの、被告人藤野正己は、右会社の代表取締役としてその業務全般を統轄しているものであるが、被告人藤野正已は、右会社の業務に関し法人税を免れる目的をもつて、売上の一部を公表帳簿に計上せず、これにより架空名義の簿外預金を設定する等の不正の方法により、

第一、昭和四〇年二月一日より同四一年一月三一日までの事業年度における同会社の所得金額は二六、三七〇、九四八円であるのに同四一年三月三一日所轄岡山税務署長に対し、その所得金額が〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、同事業年度の法人税額九、五七六、九〇〇円を逋脱し、

第二、昭和四一年二月一日より同四二年一月三一日までの事業年度における同会社の所得金額は二〇、三〇六、五〇二円、これに対する法人税額は六、八七〇、〇〇〇円であるのに、同四二年三月三一日所轄岡山税務署長に対し所得金額が九、八六三、八六二円、法人税額三、二一五、二五〇である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて右正規の法人税額との差額三、六五四、七〇〇円を逋脱し

たものである。

(証拠の標目)

一、被告人の公判廷における供述

一、被告人の検察官に対する供述調書四通

一、井上操(三通)、藤原凡夫(二通)、水谷督(二通)、藤野よね子、小林政治、荒木智真の検察官に対する各供述調書

一、井上操の上申書二通

一、証人小林次男の証言

一、河内正美、河内信親、植田寛、倉橋章、鎌木政徳、桑田敏郎、中山真一の収税官吏に対する各質問顛末書

一、押収にかかるメモ帳(証第一、二号)補充積立帳(証第三号)、売上明細帳(証第四号)、売上日計表綴(証第五号)、法人税決定決議書綴(証第六号)

(適条)

被告人藤野に対し

法人税法一五九条(懲役刑選択)、刑法二五条一項

被告人会社に対し

法人税法一五九条、一六四条

一、出席検察官

検事 田辺信好

(裁判官 黒川四海)

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